CJです。
前回の Azure編に続き、今回は同じく VMware Cloud on AWS (以下、VMC on AWS) 環境とAWS環境を、IPsec VPN (Policy-based)でつなぐ方法について共有したいと思います。では、早速構成イメージ図からみて行きましょう。
構成イメージ図
事前準備
今回もパラメーターシートを事前に用意しましょう。
VMC on AWS (SDDC) | AWS | |
Public IPaddress | x.x.x.x | y.y.y.y |
VPC CIDRs | – | 192.168.0.0/16 |
Private Network | 10.69.99.0/24 | 192.168.5.0/24 |
VM IPaddress | 10.69.99.2 | 192.168.5.251 |
Encryption | AES 128 | AES 128 |
Diffie Hellman | DH2 | DH2 |
IKE version | IKEV1 | IKEV1 |
SHA version | SHA1 | SHA1 |
Pre-shared key | CJkey! | CJkey! |
Firewall Rules | All Traffic 許可 (※今回はテストのため) | All Traffic 許可 (※今回はテストのため) |
設定の流れ
- AWS:VPCの作成
- AWS:Subnetの作成
- AWS:Route Tablesの設定
- AWS:Security Groupの設定
- AWS:Customer Gatewayの作成
- AWS:Virtual Private Gatewayの作成
- AWS:Site to Site VPN Connectionsの作成
- VMC on AWS:Groupsの作成
- VMC on AWS:Gateway Firewall (Compute Gateway)の設定
- VMC on AWS:Policy Based VPNの設定
※本記事において、AWSの詳細操作方法については、割愛させていただきます。
1.AWS:VPCの作成
VMC on AWS SDDCのManagement Subnetとして、”10.0.0.0/15″と”172.31.0.0/16″が予約されているため、重複しないようにAWS側のVPCを新規作成することをおすすめします。
VPCの作成画面から、パラメータシートのVPC CIDRs (192.168.0.0/16)を参照してVPCを作成します。すると、以下のようにVPCが作成されていることが確認できます。
2.AWS:Subnetの作成
VPC Dashboard > Subnets より、パラメータシートのPrivate Network (192.168.5.0/24)を参照して Subnetを作成します。
3.AWS:Route Tablesの設定
VPC Dashboard > Route Tables よりルーティングを設定します。
必要なルーティング情報は、以下の2つとなります。
・AWSの仮想マシンへSSH接続するため、”Destination:0.0.0.0/0″。
・VMC on AWS 側の仮想マシンが属しているPrivateNetwork、”Destination:10.69.99.0/24″。
4.AWS:Security Groupの設定
VPC Dashboard > Security Group よりFirewallを設定します。
今回はテストのため、全てのトラフィックを許可してあります。各自の環境に合わせて適切に設定いただくことをおすすめします。
5.AWS:Customer Gatewayの作成
VPC Dashboard > Customer Gateway より、作成を行います。
6.AWS:Virtual Private Gatewayの作成
VPC Dashboard > Virtual Private Gateway より、作成を行います。
7.AWS:Site to Site VPN Connectionsの作成
VPC Dashboard > Site to Site VPN Connections より、VPNの設定を行います。
Download Configuration ボタンにて、AWS側のVPNパラメータ情報を確認
8.VMC on AWS:Groupsの作成
VMC on AWS SDDC > Networking & Security 上から設定を行います。また、こちらの画面にて VMC on AWS側の Public IPaddressが確認できます。
SDDC > Network & Security > Inventory > Groups より、両サイトの仮想マシンが属している Subnet 情報を指定して Groupを追加します。
9.VMC on AWS:Gateway Firewallの設定
SDDC > Network & Security > Security > Gateway Firewall より、設定を行います。今回は “Compute Gateway”側の設定となります。
※Tip:Inbound & Outbound両方の設定が必要です。また、Policy-based VPNの設定を行う場合は Applied Toを “All Uplinks” にしてください。
10.VMC on AWS:Policy Based VPNの設定
SDDC > Network & Security > Network > VPN > Policy Based より、設定を行います。
疎通確認 (完了)
AWS側の仮想マシン(CJ-01)から、VMC on AWS側の仮想マシン(VM-01)へ PINGにて疎通確認をします。
これで両サイト(US <–> Tokyo)間が、VPNで繋がって互いに通信ができることが確認できました。
いかがでしょうか。
各クラウドベンダーのUIが異なることから、多少難しく感じるかもしれないですが、基本原理は一緒です。また、VMC on AWS側もバージョンアップと共にUIがよりシンプルになっており、設定がとても簡単になりました。ぜひお試しください。
[参考情報]