2025.6.17 に VMware Cloud Foundation 9.0 (以降、VCF 9.0) が GA (General Availability) となりました。VCF 9.0 は、プライベートクラウドの構築、運用およびセキュリティ保護を単一のインターフェイスで簡単に行うことが可能な形で強化されているようです。
VCF 9.0 は特定の製品として存在しているものではなく、主に “vSphere、vSAN、NSX、VCF Installer、VCF Operations、VCF Automation、VCF SDKs・APIs・CLIs” 製品をパッケージ化した名称と理解した方が良いかと思います。
また、個人的には、製品として、既存の AriaOps 製品が VCFops に生まれ変わった感じではありますが、VCF 9.0 における VCFops の機能は下記の主要機能通り、ライセンスや証明書管理を含めて、新機能が多く追加されており、VCF 9.0 において重要な役割をする製品である印象を受けました。
VCFops 9.0 における主要機能:
- Building Cloud Infrastructure
- Lifecycle Management
- Fleet Management
- Infrastructure Operations
- Workload Monitoring and Observability
- Cost and Capacity Management
- Workload Mobility
- Security and Compliance
今回は、上記主要製品の中、VCF Operations (以降、VCFops) に焦点を当て、既存の AriaOps 8.18.3 (評価版) から VCFops 9.0 (評価版) へのアップグレードを試したので、その内容を共有したいと思います。
アップグレード用のパッケージファイルの入手
まずは、下記の通り Broadcom Support Portal より、VCFops 9.0 へのアップグレード用パッケージファイル (例.Operations-Upgrade-9.0.0.0.24695814.pak) をダウンロードします。

① Broadcom Support Portal > My Downloads > “VMware Cloud Foundation” キーワードで検索 (Show Results) し、表示される [VMware Cloud Foundation] メニューをクリック
② VMware Cloud Foundation 9 をクリックすると、拡張画面として Release バージョン情報が表示されるので、”9.0.0.0″ をクリック

③ VCF 9.0 関連製品が表示されるので、VMware Cloud Foundation Operations を選択 (右側の View Group をクリック)

④ 最初 “I agree to the Terms and Conditions / Compliance Reporting Terms and Conditions” のチェックボックが表示される場合、”Terms and Conditions” と “Compliance Reporting Terms and Conditions” のリンクへアクセスした後、チェックボックにチェックインします。(該当リンクにアクセスしないと、チェックボックにチェックインができないです。)
その後、下記の通りアップグレード用のパッケージとして “VMware Cloud Foundation Operations Upgrade” をダウンロード (右側の HTTPS Download アイコンをクリック) します。
・VMware Cloud Foundation Operations Appliance
・VMware Cloud Foundation Operations Upgrade (アップグレード用パッケージ)

該当ファイルをダウンロードしたら、ファイルが破損有無を確認します。
本記事では、下記コマンドにて Mac と Windows Server 上で MD5 値を確認しています。
#パッケージファイルが配置されているパス上で実行する例となっています。例.Mac 上でのコマンド
md5
Operations-Upgrade-9.0.0.0.24695814.pak
例.Windows Server 上でのコマンド
certutil -hashfile ./
Operations-Upgrade-9.0.0.0.24695814.pak
アップグレード用ファイルも入手できましたので、後はアップグレード実行するだけです。
※念のため、アップグレード前に既存の AriaOps のスナップショット取得をお勧めします。(本記事では割愛します。)
現在のバージョン確認
下記の通り、現在 AriaOps は 8.18.3 バージョンとなっており、評価版を利用中でライセンス切れまで後 28 日であることがわかります。
該当バージョン情報は、”AriaOps UI > 画面右上のアカウントアイコンの About” より確認可能です。

アップグレードの実行
AriaOps のノード IP アドレスまたは FQDN の末尾に /admin 付けし、管理 UI へアクセスします。その後、Software Update > [INSTALL A SOFTWARE UPDATE…] ボタンをクリックします。

Software Update のポップアップ画面が表示されるので、[BROWSE..] をクリックして、アップグレード用のパッケージファイルを選択し、[UPLOAD] ボタンをクリックします。

アップロードが進み、ステージング処理が完了すると、下記の通り [NEXT] ボタンが有効となりますので、クリックして次へ

その後、End User License Agreement (I accept the terms of this agreement にチェックイン) および Important Update and Release Information 画面が表示されるので、内容確認後、次へ


最後に、[INSTALL] をクリックし、アップグレードを実行します。

アップグレードが進み、下記メッセージ表示と共に “Error 503 Service Unavailable” 状態となります。VMware Aria Operations is not available. You will be redirected when the service is available.
Log into the Admin UI to configure, check, or repair the cluster.
数分 (今回の検証環境基準) 後、下記の通り VCFops 9.0 のログイン画面が表示され、Username (admin) / Password 入力でログイン可能となります。

管理 UI にアクセス可能なものの、まだ Cluster がオフライン状態となっており、サービス UI にもアクセスできない状態となります。

しばらくCluster の Going Online 状態が続いた後、下記の通り Online 状態となります。

下記の通りサービス UI 上にもアクセス可能となり、VCFops 9.0 へアップグレードされていることが確認可能です。

VCFops 9.0 UI > License Management > Licenses > VCF OPERATIONS LICENSING STATE (画面右上) より、90 日間利用可能な評価版となっていることがわかります。


以上、AriaOps 8.18 から VCFops 9.0 へのアップグレード方法の紹介でした。
本記事が、これから VCFops へのアップグレードを検討する方々に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
[参考情報]
VMware Cloud Foundation 9.0 Release Notes
VCF Operations
Upgrade VMware Aria Operations to VCF Operations 9.0
VMware Aria Operations の管理インターフェイスについて
Update Sequence for VCF 9.0 and Compatible VMware Products