CJです。
多く使われている Windows版 vCenter Server (以下、VCS)も次期 vSphereバージョンからはサポート外になるようです。現在、仮想アプライアンス版 vCenter Server (以下、VCSA)ではほとんどが VCSと変わらず使える状態ですが、マルチNICが正式サポートされていなかったり一部もの足りないところもあるのが現状です。しかし、いつか VCSAになること、ライセンス節約の観点からのメリットもあるので、各自の状況に合わせて移行をご検討いただければと思います。
今回は、この移行方法についてスクリーンショットとともに流れを共有したいと思います。
移行環境
VCS:Windows Server 2012 R2 / PSC組み込み / 別途 DBサーバー(SQL server)が存在 / vCenter 6.0 U2
VCSA: vCenter 6.5 U1
Client: Windows Server 2012 R2
移行イメージ図
移行手順
VCSAデプロイ手順
1.VCS上に、VCSA isoファイルより、”migration-assistant” フォルダをコピーし、VMware-Migration-Assistant アプリを実行する。
Tip: 移行前に、以下の内容を確認してください。
・DRS 無効化 / NTP 同期 / Default Gateway 設定 / もし、iptables 制御している方はそちらも要確認
2.Client PC (以下、Client) に、VCSAの isoファイルをマウントしてインストールファイルを実行。”CDROM : vcsa-ui-installer\win32\installer.exe”
3.移行を選択
4.VCSAのデプロイ / 次へ
5.エンドユーザー使用許諾契約書 / 同意にチェックを入れて 次へ
6.VCSの情報を入力して、次へ
サムプリントの検証画面が表示されたら、”はい” をクリック
7.デプロイ先の ESXi or vCenter 情報を入力 (ここでは ESXi 情報を入力しています。)
証明書に関する警告画面が表示されたら、”はい” をクリック
8.VCSA名と root パスワード情報を入力して、次へ
9.各自の環境に適した VCSAのサイズを選択して、次へ
10.データストアを選択して、次へ
11.ネットワーク構成情報を入力して、次へ
12.設定内容の確認ページが表示されるので、確認後問題なければ “終了” ボタンをクリック。そうすると、初期化された後デプロイが開始されます。
13.デプロイが完了されたら、次は VCSAへ接続します。
https://[VCSAのIPアドレス]:5480
ちなみに、デプロイされた VCSAのディスク構成はどうなっているでしょう。
小 (4 vCPU、16GB RAM)サイズでは、以下の構成となっていることがわかりました。
VCSA への移行手順
1.”Windows 上の vCenter Server インスタンスからの移行” を選択
2.上記手順 8 で設定した VCSAの root パスワードにてログイン
3.ステージ1が終わっている状態で、ステージ2になることを確認の上、次へ
4.VCSの情報を入力して、次へ
証明書に関する警告画面が表示されたら、”OK” をクリック
5.VCS上では、以下のように事前チェックが走っていることがわかります。
暫くすると、移行前チェックの結果が表示されます。
今回、VCS上では VMware Update Manager (以下、VUM)が使用中だったための警告が表示されていますが、スキップします。”閉じる”をクリック。
6.今回の移行では、設定のみ移行すればOKということで、次へ
7.CEIP 参加可否の画面が表示されますが、ここではチェックをOFFにして、次へ
8.設定の確認画面が表示されます。”ソースの vCenter Server をバックアップしました” のチェックボックスにチェックを入れて、終了。
シャットダウンの警告が表示されるので、”OK” をクリック。
VCSAは基本 VCSの情報を引き継ぐため、同一セグメントに置かれている VCSを起動前に止める動きとなっています。
9.VCSから VCSAへデーターコピーが行われます。(vSphere Web Client データのエクスポートなど)
10.VCSA の設定が行われます。
11.すべてのデーターが VCSAへインポートされてから、完了となります。
12.もし、以下のようなエラーが表示されたら、ブラウザのキャッシュをクリアしてみてください。
13.移行完了。
正常に vCenter 6.5 になっていることがわかります。
思ったより簡単に移行できそうではないでしょうか。
ぜひ、お試しください。
VCS (シャットダウン中)はそのまま残っている状態のため、もし移行が何らかの理由で途中失敗した場合でも簡単に切り戻しができるのもチャレンジしやすいところかと思います。
Tip:VCSでローカルアカウント設定を行っている場合は、移行前にユーザー権限を外してください。そうしないと、移行手順 9 のところ (vPostgres SQLあたり)で失敗する可能性があります。
[参考情報]
既知の制限事項
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.upgrade.doc/GUID-5E19B79A-AE4F-497A-9047-3E9AAC1D7767.html