CJです。
vSAN 環境において仮想マシンのデーターは ErasureCoding 機能により、RAID6相当の2重障害まで保護が可能です。 ところで、実際 DISK障害などが発生した際に、RAID6相当範囲内であれば仮想マシンはまったく何の影響もなく、使えるんでしょうか?
結論から伝えると、仮想マシンのデーターは保護されている状態ですが、一部の操作については影響を受けることとなります。
以下、実際仮想マシンが障害時 (DISK障害想定) に受ける影響の一覧表です。
#環境情報:ホスト6台のRAID6相当の構成、1DISKGROUP/ホスト。
こちらの表を少し補足すると、
RAID6相当の環境 (2重障害まで許容)で、稼動中の仮想マシンが1台、停止状態の仮想マシンが1台があり、この環境でキャパシティ用のDISK 1本が故障した際の動作を確認したものとなります。
スナップショット
スナップショットは作成も、復元も使えなくなります。取得してあったスナップショット削除することは可能です。
移行
同一 vsanDatastore でのホスト移行 (vMotion) は可能ですが、クラスタを跨いだ移行は基本できなくなります。
クローン作成
クローン作成もスナップショットも同じく使えなくなります。
設定の編集
当然といえば、当然ですが、仮想ディスクのサイズ変更はできなくなります。
#仮想マシンのネットワークアダプタ変更などは可能です。
なぜ、このように操作ができなくなるの?
これは vSANの構成による仕様のようです。
vSANは DISKが故障した際にリペアを試みる動きを行いますが、上記構成では代替となる空き領域がなくてリペアが完了できない状態です。 また、上記の操作を行うには vSAN内部で Component を作成する形となりますが、物理環境上 RAID6相当を満たせない状態のためです。
DISK障害時にも、上記の操作ができるようにするには?
お勧めはやはり、ホストごとに2つのDISKGROUPを持つことです。
そうすると DISK故障時に vSANが自動的にリペアを試みて空き領域(同一ホスト内の別DISKGROUP or 別ホストのDISKGROUP)があれば、障害状況が復旧となり、スナップショット・クローン作成などの操作もできるようになります。
※他の障害 or 構成によっては別の方法での対応が必要な場合もあります。
以上、vSANの動きを知り、日常の運用において少しでも役に立てればと思います。
[参考情報]
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.0/com.vmware.vsphere.virtualsan.doc/GUID-9A2DCE0B-CFA1-41C1-97CE-DA56A55426EA.html